宗岡みらい内科ハートクリニック|循環器内科 内科 生活習慣病・心臓病・糖尿病 志木市

2024年4月開院予定

脂質異常症の治療

治療で1番の目的は、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患の発症または再発を予防することです。

まずは、生活習慣を改善して脂質の値を改善することです。

必要に応じてお薬が必要になります。

脂質異常症の基本治療は、食事療法と運動療法ですが、特に食事療法が大切になります。

脂質異常症と診断された場合、目標値は下の表になります。

管理区分 目標値
LDL Non-HD 中性脂肪 HDL
一次予防 低リスク <160 <190 <150 ≧40
中リスク <140 <170
高リスク <120 <150
二次予防 冠動脈疾患の既往 <100
(<70*)
<130
(<100*)

一次予防

まず生活習慣の改善を行った後に、お薬を考慮します。

脂質異常症と診断されたが、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)や脳卒中などの動脈硬化が原因の病気を発症させないための予防です。

二次予防とは

生活習慣の改善と同時にお薬も検討します。

狭心症などの動脈硬化が原因となる病気で、再発させないための予防です。

* 急性心筋梗塞、糖尿病、家族性高コレステロール血症の場合は、より厳格にLDLコレステロールを70mg/dl、non-HDLコレステロールを100mg/dlより下げなければなりません。

自分がどのリスク管理区分にいるかは、低リスク、中リスク、高リスクは吹田スコアでわかります。

吹田スコア計算式

年齢(歳)

性別

喫煙

血圧(mmHg)

LDLコレステロール(mg/dL)

HDLコレステロール(mg/dL)

耐糖能異常

早発冠動脈疾患・家族歴

結果

脂質異常症を改善する食事の工夫とは?

脂質異常症の最も大切なことは、食事の仕方です。

正しい食習慣により過食を避け、偏食せずに規則正しい食事をすることです。

まず、毎日のちょっとした心がけと工夫を大切にし、下のできることから始めましょう。

  • 1. 朝、昼、夕と規則正しく食べる
  • 2. 寝る前や夜の間食を控える
  • 3. バランスよく食べる
  • 4. お腹いっぱいに食べない、
    腹八分に止めておく
  • 5. よく噛んで食べる

これらは血糖を下げるのも有効です。

コレステロールを下げる食事の工夫とは?

LDLコレステロールを高める食べ物は、動物性の食品です。

脂身のある肉類、鶏卵(魚卵含む)、レバーなどの内臓系、アルコール、生クリーム、お菓子、インスタントラーメンなど加工食品です。

逆に植物にはほとんど含まれていないため、植物性の食品、特に野菜の食べる量を増やすことが効果的です。

特に野菜が効果的です

野菜には、細胞を傷つける活性酸素を無毒化するビタミン類が豊富です。

さらには、ビタミンCは血管を強くし、ビタミンEは血流を良くします。

これらが多く入っているのが、トマト、カボチャです。

オリーブオイルは、HDL(善玉)コレステロールを下げずに、LDLコレステロールを下げるので、食事に取り入れるのも良いです。

また、大豆にはLDLコレステロール値を下げる効果があり、豆腐や納豆などは抗酸化作用があり、血液をサラサラにするので食事に取り入れると良いです。

そのほかには、魚、特に青魚にはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれ、これらは血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし、血液をサラサラにしてくれる効果があり、血管の壁の新陳代謝を促進します。

カテキンが含まれる緑茶にはLDLコレステロールの吸収抑制効果があります。

これらを意識した食事をすることを心がけると良いです。

さらには、運動も積極的に取り入れましょう。

最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。

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