宗岡みらい内科ハートクリニック|循環器内科 内科 生活習慣病・心臓病・糖尿病 志木市

2024年4月開院予定

心不全とは?

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下する病気です。

ポンプ機能が低下すると、肺や全身に血液を送り出すことができなくなります。

その結果、他の臓器へ酸素や栄養を運ぶことできず異常を起こし、息切れやむくみなどをきたします。

心不全のタイプ

心不全には、3つのタイプがあります。

急性であるか?慢性であるか?を確認します。

心不全の4つのステージ

ステージA:心臓に異常がないステージ

高血圧糖尿病などのリスク因子はありますが、狭心症や弁膜症等の心疾患がなく、心不全症状はない状態です。

ステージB:心臓に異常があるステージ

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、弁膜症、心肥大などの心疾患はありますが、心不全症状がない状態です。

ステージC:心不全ステージ

弁膜症など何らかの心臓の異常を認め、心不全症状がある、または心不全の既往がある状態です。

ステージD:治療抵抗性ステージ

おおむね年間2回以上の心不全入院を繰り返し、お薬の治療やカテーテル治療、心臓手術などを行っても、日常の軽い動作で心不全症状を起こしてしまう状態です。

この段階では、心臓移植などの特別な治療、もしくは終末期ケアが必要になります。

出典:急性・慢性心不全診療ガイドライン
(2017年改訂版) より抜粋

心不全になると、どうなるの?

心不全の5年生存率は、約50%と決して生命予後はよくありません。

さらに、心不全で入院すると、5年生存率は25%まで低下し、5年以内の心不全再入院率は85%近くに上るとされています。

心不全の5年生存率25%とは、我が国で1番多い大腸がんの5年生存率と比べた場合、それよりも低い生存率となります。

このような理由もあり、寿命を縮める病気と定義されています。

心不全の再入院を繰り返すと?

だんだんと心臓のポンプ機能が低下して余命が短くなるのみならず、生活の質も落ちて、今まで通りの身の回りの行動も出来なくなってきます。

お薬もだんだんと効果が出なくなり、最終的には心不全緩和ケアが必要となります。

その途中で不整脈などが原因で突然死に至ることもあります。

心不全の原因は?

心不全になりやすい人は、心臓に何らかの異常(基礎心疾患)があることが多いです。

そこでさらに心臓に負担がかかる要因(増悪因子)が加わったときに心不全になりやすくなります。

心不全の原因疾患

心不全の原因疾患(基礎心疾患)は多岐にわたります。

特に多い原因

これらの原因の中で、多い順番は、下の3つです。

なかでも、虚血性心疾患が原因の方が近年増えております。

心不全が急速に悪化する原因(増悪因子)は?

心臓病(基礎心疾患)があり、負担をかける要因があると心臓の調子は悪くなります。

このことを「急性増悪」といいます。

急性増悪となる要因は、下記の通りです。

  • お薬の飲み忘れ(内服中断)
  • 血圧の上昇
  • 塩分や水分の取りすぎ
  • アルコール
  • 疲労、ストレス
  • 感染症(かぜ、肺炎)
  • 気温の変化(寒い時期)
  • 貧血
  • 不整脈の悪化

特に冬は、風邪を引きやすく、血圧も高くなりやすいので、心不全が悪くなりやすい(急性増悪)です。

心不全の症状とは?

日常生活で「息切れ」、「ドキドキ」する

  • 今まで大丈夫だった距離でも歩くと息切れやドキドキ
  • 家事をしたり、お庭や畑の手入れで息切れなどが出てきた
  • 階段を2階まで上がった際にドキドキする

胸が重い、咳が出る

下半身、足のむくみ

  • 靴下の跡が残るようになった
  • 足の甲、スネを指で押しても凹んだままである

体重の急激な増加

手足が冷たい

食欲がない

症状がある場合は受診しましょう

特に、「動いたときに息が切れる」、「横になっているより、座っていた方が、息苦しくない」、「足、下半身のむくみ」は典型的な慢性心不全の症状です。

心臓に病気がある人が、このような症状が出てきた場合は、心臓の調子が悪くなっているサインです。

早めに循環器内科受診をお薦めします。

早期発見・早期治療が大切です

現在、心不全は加速的に増えており、また日本人の2番目に多い死因は心疾患です。

心不全の経過は多くの場合、慢性で進行性であり、急性の増悪を反復することで徐々に重症化します。

心不全に至る手前の段階である心臓弁膜症、不整脈、虚血性心疾患、高血圧糖尿病などを早期発見して、早期治療を開始することが、寿命を延ばして、健康で生活するためには大切です。

最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。

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