宗岡みらい内科ハートクリニック|循環器内科 内科 生活習慣病・心臓病・糖尿病 志木市

2024年春開院予定

脳梗塞のタイプ

脳梗塞には、3つのタイプがあります。

アテローム血栓性脳梗塞とは

”アテローム”とは、粥状硬化(じゅくじょうこうか)という意味です。

すり傷などで皮膚が炎症を起こしてグジュグジュする、と同様にツルツルの血管の表面が動脈硬化で炎症を起こしたりして血の塊を作ってカサブタを作ります。

これを繰り返して、血管が狭くなります。

アテローム血栓性脳梗塞とは、脳の比較的太い血管や首の血管が動脈硬化によって狭くなる、または血栓のカサブタが剥がれて血管を詰まらせてしまうことで起きる脳梗塞です。

一般的に、高血圧糖尿病、喫煙、コレステロールが高い、肥満などで動脈硬化が進み、年齢を重ねることで、血管の中にプラーク(コレステロールが蓄積した塊)ができます。

アテローム血栓性脳梗塞は、このプラークが以下のように進行することで起こります。

アテローム血栓性脳梗塞になるとどうなる?

手足のマヒ、しゃべりづらさ、ろれつが回らない、物が見えにくい、右左がわからない、などの様々な症状が出ます。

アテローム血栓性脳梗塞は、血管が詰まる前に、一過性脳虚血発作という脳梗塞の前触れ症状(前兆)が20~30%の確率で起こるとされています。

アテローム血栓性脳梗塞になってしまったら?

発症して4時間30分以内であれば、「t-PA」という脳血栓を溶かす血栓溶解剤を使用できる可能性があります。

さらに発症後8時間以内であれば、カテーテルによる血栓回収治療の適応の場合もあります。

できるだけ早く医療機関受診することをお薦めします。

アテローム血栓性脳梗塞にならないためには?

アテローム血栓性梗塞は、太い血管の動脈硬化に進行による脳梗塞です。

生活習慣病、メタボの改善、禁煙などをし、治療が必要な時はきちんと受けましょう。

セルフチェックをしてみましょう

アテローム血栓性脳梗塞は、脳梗塞の前触れ症状(前兆)が起こることがあります。

心配な方はセルフチェックをしてください。

ラクナ梗塞とは

脳血管が枝分かれして、脳の深いところにある直径1mm以下の細い血管がつまってしまう脳梗塞を、ラクナ梗塞と言います。

小さい血管が詰まると、脳が必要とする酸素や栄養が届かなくなることで脳細胞が壊死し、マヒなどが出て、生活の質が下がります。

原因は、高血圧糖尿病脂質異常症などの生活習慣病ですが、特に高齢者で血圧が高い人に多いと言われています。

ラクナ梗塞になるとどうなるの?

脳梗塞が発生する場所により言葉がでにくい、歩きにくい、手足を動かしにくい、飲み込みにくいなどいろいろな症状が出ます。

症状がない人もいますが、何回もラクナ梗塞を繰り返して、認知機能に障害が起きてゆっくりと脳血管性認知症が進行する可能性があります。

脳血管性認知症は、アルツハイマー認知症に次いで、2番目に多い認知症の原因です。

同じように、手足の動きを調整する脳の部位が、梗塞を繰り返して、手が勝手に震えたり、足が踏み出せないパーキンソン症状がでることもあります。

ラクナ梗塞になってしまったら?

発症して4時間30分以内であれば、「t-PA」という脳血栓を溶かす血栓溶解剤を使用できる可能性があるので、できるだけ早く医療機関受診することをお薦めします。

また、早くリハビリを開始することで、マヒなどの機能が回復しやすくなります。

再発率は10年で約45%ととても高いので、きちんとした危険因子の管理が必要となります。

ラクナ梗塞にならないためには?

ラクナ梗塞は、高齢者の高血圧が最も重要な危険因子です。

高齢で血圧が高い人は、血圧管理とその他の生活習慣病をしっかりコントロールしなければなりません。

ラクナ梗塞はほかの病気にも影響を与えます

ラクナ梗塞は、マヒやろれつ障害などの一般的な脳梗塞症状とは別に、知らぬ間にパーキンソン症状、認知症の進行にも影響を及ぼします。

特に高齢者で高血圧の人は、発症のリスクを抑えるために、早めに医師に相談をしましょう。

心原性脳塞栓とは

心臓の中にできた血栓(血の塊)が、血流にのって脳の血管をつまらせてしまう脳梗塞です。

心臓の中でできる血栓は比較的大きいため、太い血管が詰まりやすく、広範囲の脳梗塞になりやすいのが特徴です。

突然、前触れもなく発症して重症になりやい脳梗塞です。

90%は、心房細動という不整脈が原因と言われています。

心原性脳塞栓になるとどうなる?

突然、何の前触れもなく、体半分動かないなどの大きな障害が出ます。

心原性の場合の死亡率は約10%です。

命を救うことができても、寝たきりなどの要介護になる重度後遺症が50~70%くらい残ってしまうと言われています。

社会的にも非常に問題になっている病気の一つです。

心原性脳塞栓になってしまったら?

他の脳梗塞と比べて、最も命にかかわる脳梗塞なので、早期治療が重要です。

命を救うためには、発症して4時間30分以内で行える「t-PA」という脳血栓を溶かす血栓溶解剤による治療、または発症後8時間以内で行えるカテーテルによる血栓回収治療によって、血流を再開することが大切になります。

また、早くリハビリ導入することで、機能も回復しやすくなります。

心原性脳塞栓にならないためには?

心房細動は、60歳を超えると発症率が高くなります。

動悸などの症状がない人も多くおり、脳梗塞を発症してはじめて気付かれる場合もよく見受けられます。

また、心房細動の人は、糖尿病高血圧、75歳以上、心不全の既往があると、脳梗塞のリスクが高くなります。

健診などを利用して定期的に心電図のチェックを受けましょう。

心房細動と判明した場合は、循環器内科による診察が必要です。

脈が乱れていないかセルフチェックしてみましょう

心原性脳塞栓は、発症すると社会復帰が困難になる可能性が高い脳梗塞です。

原因となる心房細動は60歳から多くなります。

胸の症状が出ないことも多いです。

心房細動自体はすぐに命に関わる病気ではないですが、きちんと健診を受け、脈が乱れていないかセルフチェックをしましょう。

最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。

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