糖尿病でよくあるお悩みについてご紹介いたします。
目次
おしっこの回数が多い・夜中にトイレにいく
糖尿病では、高血糖で血管の中はドロドロしています。
ドロドロとした血液を水分で薄めて少しでも血液をサラサラにしようと、体は水を欲します。
たくさん水を飲むようになるため、その結果、おしっこがたくさん出るようになります。
糖尿病が重症になればなるほど尿の回数も多くになり、夜中も頻繁にトイレで起きるようになります。
糖尿病以外に考えられる原因
- 膀胱炎、前立腺肥大症、過活動性膀胱、結石、膀胱がんなどの泌尿器疾患
- 脳卒中後遺症、脊髄疾患などの脳神経疾患
- 一部の肺がん、一部の白血病
- 電解質異常(低カリウム血症、高カルシウム血症)
- 腎不全、心不全、加齢
- 心因性多飲
- お薬の副作用
尿が泡立つ
糖尿病で尿が泡立つ理由は?
糖尿病で尿が泡立つのは尿中のタンパク質、アルブミンが原因です。
腎臓には糸球体という細かな血管が網目のようにあって血液中の老廃物や塩分をろ過していますが、糖尿病でドロドロの血が血管を傷つけて、網の目が裂けて尿にタンパク質が漏れだして泡立ってしまいます。
尿は、本来余分な毒素を尿として身体の外に出すのが役割です。
タンパク質は食事に含まれる栄養素であるので本来尿から出ることはありません。
糖尿病による高血糖で腎臓の血管がダメージ受けると、タンパク質が尿に出てしまい、まぶたや全身が浮腫むネフローゼとなってします。
また、血糖値が160mg/dlを超えると尿の中に糖が出てくるようになり、尿の濃くなって尿が泡立ちます。
糖尿病以外で尿が泡立つ原因
何らかの理由で尿が濃くなると尿が泡立つようになります。
- 夏や運動後にたくさん汗をかいた後
- 急性腎臓障害、慢性腎臓病、腎炎、ネフローゼ症候群
- 多発性骨髄腫などの血液がん
- 血圧が高すぎる状態が続いている
- 尿路結石
- 膀胱炎や腎盂腎炎
のどが渇く
高血糖(血糖値が250mg/dlを超える)になると、喉が渇き始めます。
喉が渇くと水分を摂取するように行動します。
理由
その理由は、高血糖でドロドロしている血液を水分で薄めて少しでも血液をサラサラにして、「脳梗塞」や「心筋梗塞」にならないように体は反応します。
つまり、「喉が渇く→水分を摂取する→脳梗塞や心筋梗塞を防ぐ」なのです。
多くの糖尿病患者さんは、症状がないので、「喉が渇く」といった症状が出ているということはより重症な高血糖状態を意味しています。
早期の治療介入が求められます。
糖尿病以外でのどが渇く病気
- 高ナトリウム血症、低カリウム血症、高カルシウム血症
- 尿崩症、シェーグレン症候群、下痢・嘔吐
- 心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変
- 加齢、お薬の副作用
疲れやすい
糖尿病が原因で身体の疲れるときは、以下の2パターンです。
- 高血糖のとき
- 低血糖のとき
それ以外は、糖尿病が原因で疲れる、だるいということはありません。
理由
高血糖の時は、身体が適切にエネルギーとして血糖を使えない状態になっており、身体が必要とするエネルギー需要に見合っていないため、疲れを引き起こします。
特に空腹時血糖値250mg/dlを越えてくると、からだの疲れとともに、のどが渇くなどの症状も出現してきます。
また低血糖の時は、血糖が低いために、エネルギー不足となって身体の疲れが出現し、ひどい場合は震えや冷や汗、意識がもうろうとするなどの症状も出てきます。
糖尿病以外で疲れやすい、だるくなる病気
- 貧血、がん
- 結核や感染性心内膜炎などの感染症
- 甲状腺機能低下症、クッシング症候群などの内分泌疾患
- 心不全、肝硬変、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- うつ病
- ストレス、寝不足、過労による生理的要因
治療をしているが良くならない
糖尿病の患者さんが、「きちんと通院しているし、お薬も飲んでいる、結構頑張っているけど、なかなか血糖値が下がらない」という方が多くおります。
原因として、以下が挙げられます。
食べ方が不規則
- 良かれと思って食事の回数を減らしているが、その分1回の食事量が多くなっている場合
- または、食事回数減らしているが間食をしている場合
晩酌でダラダラと食べてしまう、仕事が忙しく食事の時間がバラバラといった食生活も血糖は不安定になります。
3食の食事管理はとても頑張っていても、間食が多い場合は血糖値が改善しないこともあります。
ジュース類
野菜ジュース、ヤクルト、栄養ドリンク、缶コーヒー、スポーツドリンクなど、つい飲み過ぎてしまっていませんか。
野菜ジュースはビタミンなどの他に多量の糖分も含まれています。
ヤクルトもシュークリーム1個分の糖分が含まれています。
コーヒーはブラックであれば、糖分はありません。
炭水化物が多くなっている
食事の主食となるご飯、パン、ラーメン、パスタ、お好み焼きは炭水化物の塊です。
血糖値を大きく上げてしまいます。
すい臓がんが隠れている
糖尿病の人は、糖尿病ではない人よりも2倍すい臓がんになりやすいと言われています。
すい臓にがんができるとインスリン分泌が低下して血糖が高くなりやすく、結果的に糖尿病コントロールも悪くなります。
お薬やインスリンが効きにくい体になっている
体脂肪が多い人、肥満体型、筋肉量が少ない人、運動不足の人は、お薬の効き目が悪い身体になっています。
血糖値が下がらないからといってお薬を増やすだけでは根本的な解決にはなりません。
インスリン分泌薬の一種も使い続けると膵臓を疲弊させて糖尿病が悪くなります。
自分のインスリン分泌が著しく低下しているにもかかわらず、インスリン分泌促進薬を使用している場合もあまり効果が期待できないので、注意が必要です。
食べても痩せる
糖尿病で痩せる理由
血糖値が非常に高い場合、膵臓からでるインスリンが少ないと体重減少(食べても痩せる)が起こります。
またはインスリンがうまく作用しないと、食事から摂ったブドウ糖をエネルギーとして使うことができず、体内の脂肪や筋肉のタンパク質をエネルギー源として分解されてしまうため、体重が減少してしまいます。
急激に痩せた場合は極度のインスリン分泌不足の可能性があり、注意が必要となります。
糖尿病以外で痩せる病気
- がん
- 結核、エイズ、感染性心内膜炎などの感染症
- 副腎不全、甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 心不全、肝硬変
- うつ病、認知症、摂食障害などの精神疾患
- パーキンソン病などの神経疾患
- アルコールや糖尿病のお薬
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。