糖尿病とさまざまな疾患の関連性についてこちらでご紹介しております。
糖尿病性網膜症
眼の中にある網膜という部分で起きる毛細血管の障害が糖尿病網膜症です。
糖尿病になってから、10年くらいで網膜症が現れます。
網膜症になると悪くなると、最悪の場合、眼底出血や網膜剥離を伴って失明に至る場合もあります。
網膜症を悪くしないためには、主には日頃の血糖コントロールが重要です。
目の見え方などが正常と思っても、1年に1回は眼科受診をするようにしましょう。
糖尿病とがん
糖尿病になると、がんリスクが20%ほど高いと報告されています。
日本人で特に多いがんは
- 1. 大腸がん
- 2. 肝臓がん
- 3. 膵臓がん
とされています。
一方で、糖尿病があると前立腺癌のリスクは低くなるといわれています。
生活習慣の改善が大切です
大事なことは、糖尿病とがんは両方とも生活習慣と密接に関係している病気です。
予防のためには、食事、運動、禁煙、アルコールを控えることが大切です。
がん検診を受けましょう
がんも早期発見、早期治療することが重要です。
糖尿病がある方は、がん検診を受けることをお薦めします。
厚生労働省は「市町村のがん検診の項目」について発表しております。
詳しくはこちらをご確認ください。
糖尿病と動脈硬化
糖尿病になると、動脈硬化を早めて、糖尿病がない場合と比べて約2~4倍の高さで心筋梗塞、脳梗塞になりやすいと言われております。
血糖が高いと動脈内側の壁が壊れて、壊れた部位にコレステロールなどがたまって動脈を狭く(プラーク)して、狭くなった先への血流が減少します。
動脈血流が減少すると酸素や栄養を含む血液が臓器や筋肉に十分に供給されなくなります。
プラークをおおう膜(被膜)が破れると、プラークが血液にさらされ血の塊(血栓)を形成し血管内部を塞ぐことがあります。
このようにして血栓が血管を閉塞することにより、心筋梗塞・脳梗塞などが発症します。
糖尿病と心臓病
糖尿病になると心臓病の発症リスクを約2~4倍上昇すると言われております。
また、HbA1cが1%上昇すると心臓病発生率が約20%上昇するとも言われています。
そして、糖尿病があると、心不全を発症するリスクが約60%高くなることが明らかになっています。
心臓病の予防
心臓病を予防するために、血圧管理や悪玉コレステロール改善などによる包括的な治療が必要になります。
特に脳梗塞、慢性腎臓病、メタボリックシンドローム、喫煙など合併した場合、心臓病の高いリスクとなるので、よりきちんとした全身的な管理が必要になります。
糖尿病と足の傷
糖尿病の足の傷がなかなか治らない原因は?
足の傷がなかなか治らない、足の痛みが強いなどの症状の原因は、
- 1. 動脈硬化によって足の血管が細くなって血流が低下(閉塞性動脈硬化症)
- 2. 足の感覚神経の障害(糖尿病性神経障害)
の可能性があります。
糖尿病に、閉塞性動脈硬化症や糖尿病性神経障害を伴うと、足の血管が細くなり、足の感覚が低下するために、痛みなどの症状が出にくく、足が潰瘍になるまで気付かないこともあります。
傷口から細菌が入り込み、ひどくなると足が腐って大きく切断したり、全身に細菌がばら撒かれる敗血症の感染症となって命を落とすこともあります。
毎日、足をチェックしましょう
フットケアがとても大切です
足の神経障害の悪化を予防するためには、日常生活の中でケガややけどに注意し、感染症を防ぐフットケアを行うことを心がけましょう。
低温やけどに注意
足の神経障害があると手足が冷えやすいですが、熱さに鈍感にもなります。
したがって、低温やけどを防ぐために、こたつや湯たんぽで低温やけどに注意が必要です。
足にサイズに合った靴をはきましょう
自分の足のサイズに合わない場合、キツくて靴で指先を痛め、大きすぎて小石などの異物が靴に入り足を傷つけて、潰瘍など悪化する場合があります。
足を清潔に保ちましょう
普段から足の裏、指の間を丁寧に洗い、洗った後は水分をよくふきとります。
皮膚が乾燥しやすい人は保湿剤を塗りましょう。
汚れた部位の細菌が傷口から侵入して感染を起こす可能性があリます。
糖尿病があるとコロナ(COVID-19)になりやすい?
糖尿病があると、コロナウィルスに感染しやすいことは報告されておりません。
しかし、糖尿病の方がコロナウィルスに感染して発症すると重症化するとの報告があります。
一方で、血糖の値が良い糖尿病の方では、死亡率が一般の方と同じとの報告されており、血糖値を良好にしておくことの重要性が示唆されています。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。