心房細動とは
心房細動とは、心房が異常な電気信号の刺激によって、痙攣(けいれん)したように不規則に細かく震えている状態を言います。
心房は肺で酸素を多く含んだ血液をためる部屋なので、心房の筋肉が不規則に震えていると、「ギュッ」と収縮できなくなり、血液をうまく全身に送り出せなくなります。
心房細動になるとどうなるの?
心房細動が問題になるのは大きく3つあり、生活の質が落ちたり、命にかかわってきます。
動悸などの症状
命にかかわりませんが、心拍数が高い状態が続くと通常の生活ができなくなる可能性があります。
心不全を合併
高い心拍数が続くと心臓が疲れてきて、ポンプの働きがさらに弱くなって、急性の心不全を発症します。
また、心房細動が年単位で慢性的に続いた場合、心房の部屋が大きくなりすぎて、心房に付いている弁が引き延ばされてしまいます。
そうなると、きちんと弁が閉じなくなり全身に送る血液が心房に逆流してきて、慢性の心不全になります。
脳梗塞(心原性脳塞栓症)!!!!
心房が震えていると、心房の中に血の流れが滞ります。
そうなると、血液の淀みができて血の塊 (血栓)を作ります。
血栓は、血流に乗って脳血管を詰まらせて脳梗塞を発症します。
このタイプの脳梗塞は、命の危険があり、一命をとりとめたとしても寝たきり状態になってしまうなど大きな後遺症を残すため、社会的に問題となっています。
心房細動の症状は?
心房細動には、自覚症状がある場合とない場合があります。
自覚症状がある場合
自覚症状がある場合は、以下のような症状が認められます。
- ドキドキする
- めまい、ふらつく
- 胸がもやもやする
- 胸が圧迫する、不快な感じがする
- 息切れ
- 目の前が暗くなる
心房細動の原因は?なりやすい人の特徴は?
心房細動は、加齢にともなって発症しやすい傾向があります。
60歳以上から発症の頻度が高まり、80歳以上では、10人に1人が心房細動になるとされています。
心房細動になりやすい人とは
心房細動になりやすい人とは、以下のような要因があげられます。
などと言われています。
早期発見が大切です
心房細動の40%は、「自覚症状がない」とされています。
自分に心房細動があるとは気づかないでいる場合も多いので注意が必要です。
60歳以上の人は、定期的に自分の脈をチェックして早期発見が必要です。
きちんとした治療を受けましょう
心房細動になった場合、すぐに命にかかわることはありませんが、放っておくと心不全や脳梗塞の原因となりますので、きちんと治療を受ける必要があります。
心房細動を治療して、危険な脳梗塞リスクを減らしましょう
心房細動では動悸などの自覚症状がなくても、脳梗塞を発症することがあります。
心房細動が原因の脳梗塞を発症すると、死亡または重度後遺症を残す割合が70%とされています。
大きなマヒなどの後遺症で寝たきりとなる場合や、車椅子生活などによって、患者さんだけでなく、ご家族やパートナーの生活も一変する可能性があります。
脳梗塞になる前に予防が必要です。
脳梗塞のリスクが高まる要因
下の要因が1つでも該当すると脳梗塞のリスクが高くなります。
1つでも該当した場合は脳梗塞予防の治療が原則必要となります。
リスクの数が多ければ多いほど、脳梗塞になる危険があります。
特に年齢が75歳以上の方は、リスクがかなり高くなります。
定期的なチェックが大切です
脳梗塞を突然発症しないために、60歳以上の方は何も症状がなくても、定期的に心電図の検査、脈の自己測定をしましょう。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。