狭心症とは?
心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が、動脈硬化(または、けいれん)で狭くなることで、心臓の筋肉に十分な血液が届かない、つまり「心臓が酸素不足」になる病気です。
一時的に胸が圧迫される、締めつけられる痛みなどで心臓が悲鳴をあげます。
出典:トーアエイヨー、インフォームドコンセントの
ための心臓・血管病アトラスより抜粋
労作性狭心症とは?
歩いたり、階段を登ったりと、心臓が「バクバク」するようなとき、心臓は一生懸命働いて、からだ中に血液を送らないといけません。
しかし、労作性狭心症は、冠動脈が動脈硬化で狭くなっているので、心臓がポンプとして働くための十分な酸素を心臓の筋肉へ送ることができません。
酸素が不足した心臓は、胸が痛いという症状を発します。
不安定性狭心症とは?
冠動脈が動脈硬化で、さらに狭くなります。
詰まりかかっている冠動脈なので、心臓が「バクバク」と負担のない安静なときでも、胸が痛くなる症状(心筋梗塞の前兆のサイン)がでる病気です。
不安定狭心症は、心筋梗塞の一歩手前の病気ですので、すぐに循環器内科に行かなければなりません。
冠れん縮性狭心症とは?
安静にしているときや朝方に、冠動脈が一時的に過剰にけいれんし収縮して狭くなり、心臓の筋肉を動かす十分な酸素が足りなくなって、一時的に胸が圧迫される痛み、締めつけられる痛みがでる病気です。
40~60代のストレスが多い人に起こりやすいとされています。
また、1週間のうちで、月曜日の朝方に発症しやすいとされています。
ストレス、喫煙、飲酒などが原因と言われ、動脈硬化も関連があると言われております。
出典:トーアエイヨー、インフォームドコンセントの
ための心臓・血管病アトラスより抜粋
狭心症になるとどうなる?
日常生活の中で、胸が痛くなるので、自分の行動に制限がかかり、「生活の質」が落ちます。
放っておくと、急性心筋梗塞に進行して、命を落とす危険があります。
症状がない狭心症を放っておくと、慢性的に心臓の筋肉への酸素や栄養が低下して、筋肉の働きが悪くなり、からだ中に血液を送るポンプとしての馬力も落ちます。
その結果、心不全を起こしやすくなります。
糖尿病の方は、症状がないパターンが多いです。
狭心症の特徴的な症状
狭心症には、特徴的な症状があります。
階段を登ったり、早歩きをしたり、坂道を登ったりと、心臓が「バクバク」した時に、
- 胸が締め付けられるような痛み
- 胸が重たいような、圧迫される痛み
- 冷や汗がひどくなり、気が遠のく感じがする
- 左肩、アゴ、首、みぞおち、背中に抜けるような胸の痛み
- 息がつまるような痛み
などです。
注意!
糖尿病があると、痛みの神経が障害されて胸の痛みが出ないことがあります。
危険な症状は?
上のような症状が、悪化したとき(不安定狭心症や急性心筋梗塞)の可能性があります。
- 発作の回数が増えてきた。
- 心臓が「バクバク」しない椅子に座っているなど、安静のときにも症状が出てきた。
- 痛みがある時間が長くなってきた。30分以上続いている。
このような胸の痛みが出てくると、命の危険が迫っている可能性があります。
すぐに循環器内科に受診してください。
狭心症の可能性が低い痛み
一方で、以下のような痛みは、狭心症ではなく別な病気が考えられます。
- チクチクする痛み
- 刺されるような痛み
- 触ったり、呼吸すると、もっと痛くなる痛み
- 20秒以内でおさまる痛み
狭心症になったら?
きちんとした治療を受けることで、狭くなった血管を治し(血流と良くする)、胸の痛みを無くします。
そして、心筋梗塞や心不全のリスクを減らして、その後の生活の質を改善させることができます。
狭心症にならないためには?
どの狭心症も生活習慣の乱れなどからから来る病気です。
狭心症にならないように日常生活の改善、適切な治療を受けましょう。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。