心拍動とは
心臓は電気信号の刺激で、心臓の筋肉(心筋)が収縮して血液を送り出します。
収縮が収まると心筋は拡張して、心臓に血液を溜めます。
このポンプの働きを心拍動と言います。
心拍動は、心臓の洞結節と呼ばれる部位から電気信号の刺激によって、規則正しいリズムで心臓が拍動します。
心臓の規則正しい電気の流れ
心臓の規則正しい電気の流れは、洞結節→心房→房室結節→心室の順番です。
出典:トーアエイヨー、インフォームドコンセントのための
心臓・血管病アトラスより改編、抜粋
不整脈とは
不整脈とは、心臓の心拍動が、洞結節とは異なる部位から発生したり、正常とは異なる電気の流れを通ったり、電気の流れが途中で途切れてしまう状態を言います。
不整脈の種類は?
不整脈のタイプは大きく3つあります。
1. 心拍数が速くなる「頻脈性不整脈」
頻脈とは、心拍数が100回/分以上の状態を言います。
頻脈性不整脈には、心房細動、発作性上室性頻拍症、心室頻拍症、心室細動などがあります。
2. 心拍数が遅くなる「徐脈性不整脈」
徐脈とは、心拍数が50回/分以下の状態を言います。
徐脈性不整脈では、洞不全症候群、房室ブロックなどがあります。
3. 心拍数が飛んだり、抜けたりする「期外収縮性不整脈」
心房性期外収縮、心室性期外収縮などがあります。
不整脈の症状は?
不整脈による症状は、ドキドキする、脈が飛ぶ、息切れ、めまい、胸が苦しい、気を失うなどの症状があります。
頻脈性不整脈の症状
頻脈性不整脈の症状は、心拍数が速くなり、下記の症状があらわれます。
- 動悸、ドキドキする
- 息切れする、息苦しい
徐脈性不整脈の症状
徐脈性不整脈の場合は、心拍数が落ち、脳への血流が低下します。
その結果、以下のような症状があらわれます。
- 目の前が暗くなる
- めまいがする
- 気を失う
期外収縮性不整脈の症状
期外収縮性不整脈の場合は、一拍だけ早いタイミングで心臓が収縮します。
症状は以下になります。
- 脈がとぶ
- 一瞬だけドキッとする
- 胸が一瞬つまる感じがする
一方、不整脈があっても、これらの症状がでない場合もあります。
不整脈があると言われたら?
命の危険があり治療が必要なものから、様子を見るだけで良いものもありますので、専門医による判断が必要になります。
不整脈の治療
原則として、不整脈を引き起こす病気が原因であれば、原因となる病気の治療を優先します。
多くの不整脈は治療が不要なことが多いです。
適切な治療が必要な不整脈
- 突然死を引き起こす不整脈
- 症状が強い不整脈
- 心臓に負担がかかる不整脈(心不全の原因)
- 脳梗塞の原因となる不整脈
- 意識を失う不整脈
上記のような不整脈は、適切な治療が必要です。
不整脈の治療
不整脈の治療は、以下の方法で行います。
- 不整脈を止めるお薬
- 脈拍を抑えるお薬
- カテーテルアブレーション
- 埋め込み型除細動器
- 永久ペースメーカー
- 脳梗塞予防で血液をサラサラにするお薬
- カテーテル左心耳閉鎖術
患者さんの年齢、心臓のポンプの機能、持病などを考慮して、1番良い治療を決めていきます。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。