脳梗塞の検査・治療
脳梗塞を早く見つけるセルフチェック

脳梗塞を早く見つけるためのセルフチェックをしてみましょう。
- 片側の顔がゆがんでいる
- 手、足の力が入りにくい
- 短い言葉が話しにくい
などの症状があり、
なおかつ、
- 年齢が60歳以上である
- 現在の上の血圧140mmHg以上、または下の血圧90mmHg以上である
- 10分以上、症状が続いている
- 糖尿病がある
のいずれかがある場合は、脳梗塞の可能性が極めて高いです。
脳梗塞が疑われた場合

脳梗塞が疑われた場合は、一刻も早くCTやMRI検査して、診断をつけなければなりません。
CT検査は発症早期の脳梗塞や小さい脳梗塞には変化に乏しいために、不向きです。
そのため、CT検査で異常な所見がないからと言って、脳梗塞を否定することはできません。
早期発見し、診断できるMRI
一方、MRIは発症して間もない脳梗塞、CTで見つけられない小さい脳梗塞を早期に発見できます。
昔に起きた脳梗塞なのか?新しい脳梗塞か?も見分けられます。
後遺症を残さないために、早期発見して、早く治療を受けることが大切です。
脳梗塞の治療
脳梗塞の治療の基本戦略は、脳神経が死んでしまうと二度と回復しないため、できるだけ早く血流を再開することです。
そして、ダメージを受けた脳細胞を点滴のお薬で保護して、リハビリを早く開始することです。
血流を早く再開する治療

血流を早く再開する治療では、脳梗塞発症後4時間30分以内であれば、「t-PA」という脳血栓を溶かす血栓溶解剤を使用できる可能性があります。
お薬で溶かせない場合や発症後8時間以内の場合は、カテーテルによる血栓回収治療の適応の場合もあります。
また、ダメージを受けた脳を保護するためにお薬を併用することもあります。
脳の血流が悪くなった場所には有害な活性酸素が発生するので、それを抑制して脳神経を保護します。
慢性期
慢性期では、脳梗塞は再発率がとても高い病気です。
再発させないため、動脈硬化のリスク管理と、血液をサラサラにするお薬を続けていきます。
アテローム血栓性脳梗塞
さらに、アテローム血栓性脳梗塞では動脈硬化で狭くなった首の血管を太くする血管内カテーテル治療をすることがあります。
心原性脳塞栓
心原性脳塞栓では、心房細動が原因の場合は、不整脈が出ないように心臓内の電気の乱れ焼き切るカテーテルアブレーションや、血栓が出来やすい心臓の小部屋をカテーテルでフタをするWATCHMANなどもあります。
早期受診・早期治療が大切です
どのタイプの脳梗塞も、早く気づいて、早く受診することで、いろいろな治療の選択もできます。
脳梗塞が進行してからでは、治療の選択も少なく後遺症も残ることが多いので、脳梗塞かな?と思ったら、すぐに救急要請をしましょう。
自分でできる脳梗塞の予防
脳梗塞は血液がドロドロになると起こりやすくなります。
ドロドロになりやすい時期や時間

ドロドロになりやすい時期や時間は以下になります。
- 汗をかきやすい、夏の季節
- 寝ている間と起きてから2時間
寝ている時は、汗をかき、血液がドロドロになりやすいので、寝る前や朝起きてからコップ1杯のお水を飲むことが大切です。
特に、お酒を飲んだ後や、コーヒーなどのカフェインを摂取した後は、尿として水分がからだの外に出やすいので、注意が必要です。
生活習慣の改善が大切です
生活習慣を改善して動脈硬化の進行を防ぐことも大切です。
脳梗塞のリスクが高い人、特に65歳以上の方は、首の血管の超音波、不整脈の定期チェックをしましょう。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。
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