宗岡みらい内科ハートクリニック|循環器内科 内科 生活習慣病・心臓病・糖尿病 志木市

2024年春開院予定

高尿酸血症の治療

お薬の開始の目安は?

お薬の開始の目安は下の3つです。

1. 痛風発作があった場合は、尿酸値 7.0mg/dl以上でお薬が必要です。

2. 痛風発作がない人でも、下の合併症がある場合、尿酸値8.0mg/dl以上でお薬が必要です。

合併症がある尿酸値が8.0mg/dl以上では、将来痛風発作の頻度が高まることが証明されています。

また、糖尿病、メタボリックシンドローム、心筋梗塞、慢性腎臓病の発症、悪化する確率も高くなります。

3. 何も合併症がなく、痛風発作の経験もない場合は、尿酸値9.0mg/dlを超えているときです。

治療目標値

お薬によって、尿酸値6.0mg/dl以下を維持することで痛風発作の予防、合併症予防ができるとされています。

どのくらいお薬を続けるの?

いったんお薬をやめると尿酸値が再び上昇してくることも多いのが、現実です。

しかし、2年くらい飲み続けて、お薬を中止して尿酸値が上がらないようであれば、減量や中止することもできます。

高尿酸血症の人がやってはいけない運動

激しい運動を行うと、筋肉に乳酸がたまります(いわゆる筋肉痛です)。

そうなると腎臓から尿酸が、からだの外に排泄されずに尿酸の値が高くなります。

したがって、尿酸が高い場合は、無酸素運動を避ける必要があります。

逆に有酸素運動は、尿酸を下げるため有用です。

さらに、血圧、血糖、脂質の改善にも有用です。

無酸素運動とは

筋力トレーニングなどの短時間に強い力を発揮する運動です。

筋肉を収縮させるためのエネルギーを、酸素を使わずにする運動です。

マシーンなどを使ったり、スクワットなどの筋トレ、ダッシュ走などです。

有酸素運動とは

ウォーキング、ランニング、水泳、自転車などです。

高尿酸血症の方が避けたほうがよい食事とは?

食事には、プリン体が含まれており、細胞分裂が活発な組織に多く含まれています。

1日のプリン体の摂取量の目安は400mg/dl程度が推奨されています。

高尿酸血症または痛風がある人は、

などの点を意識しましょう。

具体的にまずは、飲水敢行です。

十分な水分を摂ることは尿酸の排泄を促進するため重要です。水や無糖の飲み物を積極的に摂りましょう。

心疾患や腎疾患などで水分制限が必要な場合がありますので、医師によく相談してから行いましょう。

尿の酸性・アルカリ性は食事の影響により変化します。尿が酸性だと尿路結石を招く可能性があります。

尿酸はアルカリ性~中性によく溶けますので、海草類や野菜、芋類などのアルカリ性食品を毎日摂りましょう。

飲酒

アルコールが多いほど、尿酸が生成されて痛風のリスクは高くなります。

ビールが最も痛風のリスクを高めます。蒸留酒(ウィスキー、焼酎など)は低くなります。

1日の目安として、

  • 1. 日本酒 1合
  • 2. ビール 350~500ml
  • 3. ウィスキー 60ml
  • 4. ワイン 148ml

までは尿酸値をあげないとされています。

食品中のプリン体

食品に含まれるプリン体は下のようになっています。

極めて多い

鶏レバー、干物、白子、あん肝、太刀魚

健康食品(クロレラ、ローヤルゼリー、スピルリナ、DNA/RNA)など

多い

牛・豚レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、オキアミ、干し椎茸、かつお節など

少ない

ほうれん草、カリフラワー、加工肉類

極めて少ない

野菜全般、コメなどの穀物、卵(鶏・うずら)、乳製品、豆類、きのこ類、豆腐など

その他

キシリトール、果糖は尿酸値を上げるので、甘味飲料やくだもの、ジュースなどの過剰摂取は控えましょう。

尿酸を下げる食べ物は?

  • 1. コーヒー
  • 2. チェリー
  • 3. ビタミンC
  • 4. 低脂肪乳製品
  • 5. 食物繊維

などは尿酸の値を下げてくれます。

また、痛風のリスクも下げる効果もあります。

適度なタンパク質摂取

過剰なタンパク質摂取は尿酸の増加に関与することがありますが、必要なタンパク質は摂取する必要があります。

バランスの取れたタンパク質源(魚、鶏肉、乳製品、豆類など)を適度に摂取しましょう。

痛風と言えばビールのイメージをお持ちかもしれませんが、実はたんぱく質の摂りすぎでも尿酸値は上昇します!

高繊維食品の摂取

食物繊維は尿酸の排泄を促進する効果があります。野菜、果物、穀物、豆類などの食品をバランスよく摂取しましょう。

これらのポイントを普段から意識することで、尿酸値も上がりにくくなり、痛風発作の予防もできます。

最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。

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