高血圧の治療
生活習慣の改善はまずできるところから、少しずつが大切です。
また、組み合わせをすることで効果が高まります。
血圧を下げる食事とは?
1. 食事の仕方

野菜、果物、低脂肪乳製品(ヨーグルトなど)をよく摂取し、コレステロール、飽和脂肪酸(肉など動物性の油)が少ない食事が推奨されています。
野菜や果物などカリウム多く含む食物は、ナトリウムの吸収を抑えて、血圧低下の効果があります。
ただし、カリウム制限が必要な腎臓病の人は推奨されません。
2. 減塩(6g/日未満)
塩分(ナトリウム)含有量の少ない香辛料にしましょう。
食品表示法ではナトリウムを食塩相当量(g)で表示することが義務づけられています。
また、味噌汁、麺類の汁を控えるようにしましょう。
3. 脂質
魚、特に青魚を積極的に取り入れることが大切です。
4. アルコール制限

過度の飲酒は、高血圧の原因となると言われています。
男性はアルコール25ml/日以下、女性は15ml/日以下が目安です。
目安として、ビールの中ビンで1本、日本酒1合、焼酎0.5合弱、ウィスキー・ブランデーはダブルで1杯、ワイン2杯弱です。
女性はその半分の量となります。
5. 禁煙
受動喫煙の防止も大切です。
すぐにお薬が必要な高血圧とは?
本態性高血圧と診断されたら、基本は塩分を控えたり、野菜を多くとったり、運動をしたりと生活習慣の改善をして、1~3ヶ月後にもう一度評価します。
一方で、今すぐお薬による治療が必要なリスクが高い人もいます。
すぐにお薬を飲んだ方が良いと推奨されている人(リスクが高い)は、下記の通りです。
血圧130/80mmHg以上あり、1~5のいずれかを満たす
- 1. 脳卒中の既往
- 2. 心筋梗塞
- 3. 心房細動
- 4. 糖尿病
- 5. 尿に蛋白が漏れている
- 6. 65歳以上、男性、脂質異常症、喫煙の4つのうち、3つ以上該当する
血圧160/100 mmHg以上あり、いずれかが該当する
- 1. 65歳以上
- 2. 男性
- 3. 脂質異常症
- 4. 喫煙
これら2つに該当した場合は、様子をみずに血圧のお薬を始めることが推奨されています。
治療目標
治療目標は、年齢や背景などで変わってきます。
診察室血圧 | 家庭血圧 | |
---|---|---|
成人(75歳未満) | 130/85 mmHg未満 | 125/80 mmHg未満 |
高齢者(75歳以上) | 140/90 mmHg未満 | 135/85 mmHg 未満 |
糖尿病・心筋梗塞・慢性腎臓病 | 130/80 mmHg未満 | 125/75 mmHg未満 |
脳血管障害(脳卒中) | 140/90 mmHg未満 | 135/85 mmHg未満 |
高リスクの高血圧か確認しましょう

高血圧とわかったら、自分が、脳卒中や心臓病が高リスクの高血圧なのかを認識し、高リスクであれば、医師に相談しましょう。
高リスクではなくとも、きちんと生活習慣の是正をして医師による診察を受けましょう。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。
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